鍵の形からみる「使いやすい鍵」とは

鍵の形からみる「使いやすい鍵」とは

今の鍵が使いやすいものなのかそうでないか、使っているうちはあまり感じないかもしれません。他の鍵を使ったことがないと、比較できませんから。

ただ結果的には、一回ディンプルキーを使い始めたら、ギザギザの鍵に不便さはかならず感じるかと思います。

ギザギザの鍵はディンプルキーよりも安く購入することができるため、鍵を何度も交換する賃貸住宅ではよく見かけます。また家を建ててから15年～ほどの住宅では、ギザギザの鍵が主流だったころなので、鍵を交換したことがなければギザギザの鍵をお使いではないでしょうか。

今は防犯性が重視されており、賃貸でもディンプルキーは普通になっています。ディンプルキー+エントランスにオートロックがあるなど、物件の防犯性をアピールすることができますから。新築の住宅も、輸入住宅などでなければディンプルキーが初めからついていることでしょう。

もともとギザギザの鍵を使っていて、何かの機会で鍵をディンプルキーに変えた方はその使いやすさの違いにまず驚くことでしょう。

ではどのような面でディンプルキーが使いやすいと感じるのか、鍵の形を見ながらご説明いたします。

ディンプルキーは鍵穴に挿しやすい

画像の左側が一般的なギザギザの鍵で、ピッキングに強いU9シリンダーとその鍵です。

ディンプルキーは挿す向きがない「リバーシブルキー」

メーカーは鍵の大手メーカーさんであるMIWAのものですので、手にされたことがある方は多いかと思います。

右側の画像がディンプルキーのPRシリンダーとその鍵です。正確にはディンプルキーではなく、MIWA独自のロータリーディスクシリンダーと言うのですが、ディンプルキーと同じく高い防犯性能があり、鍵表面を見るとディンプルキーのように穴ぼこがありますね。

この２つの違いは、鍵穴を見てみるとわかります。ギザギザの鍵は”W”の形をしており、鍵もさすときに向きを揃えなければなりません。

一方、ディンプルキーは鍵のどちらの面からもさしこむ事ができます。これをリバーシブルキーとも呼び、ディンプルキーのほとんがこのような構造を持っています。

ギザギザの鍵の刻み込み部分がひっかかりやすい

ギザギザした方の鍵は、鍵の側面を大きく刻んでいる部分といくつかの小さな刻みがあります。また鍵の表面も”W”の形状になるよう溝が入っています。鍵の刻みと溝により、おのずと薄い鍵となってしまうため、折れやすい・欠けやすい、またWの形状はまっすぐの鍵よりも安定感がなく挿し込みにくさを感じます。

ディンプルキーは直線的で挿し込みやすい

ディンプルキーは鍵の側面・表面に円形・楕円形の穴があいていますが、鍵の厚さはあり安定感と頑丈さがあります。ディンプルキーが折れるというケースもなかなか聞きません。
また鍵穴も太く直線的なため、挿し込みやすは抜群です。

ディンプルキーの中でも使いやすい鍵とは？

前述ではギザギザの鍵と比較しましたが、ディンプルキーの中でも使いやすい鍵と使いにくい鍵は存在します。

例として、GOALのV18シリンダーとKABAのカバスターネオを比較します。両者はシリンダーの中身に大きな違いがあり、防犯性にも影響しています。

カバスターネオは防犯性◎ ただしメンテナンスは必要

GOALのV18は一般的なディンプルキー構造で、シリンダーの中のピンが3方向に並んでいます。鍵を見ると側面と表裏に穴があいていますね。

一方KABAのカバスターネオは、シリンダーの中のピンが縦横斜めの5方向に並んでいます。この複雑さは随一で、ピッキング工具での鍵開けはまず不可能に近いでしょう。

２つを防犯性で比べるとしたらカバスターネオに軍配が上がるかもしれませんが、そこで「使いやすさ」を考慮すると迷うところになります。
というのも、シリンダーの構造が複雑な分だけ、メンテナンスが欠かせないからです。

カバスターネオの鍵の表面には複雑な彫りこみがあり、そこにゴミがついていたり、シリンダーの中にゴミが入ってしまうと鍵が抜きにくく感じます。またギザギザの鍵と同様に、彫り込みが多い分鍵穴の引っ掛かりを感じやすい時があります。

V18は使いやすさ◎ ピッキングにも強いバランスの良い鍵

V18は使いやすさと防犯性を備えたバランスのいい鍵です。持ち手にもこだわりがあり、鍵を握るときに指にフィットしやすいような形状になっています。
また鍵穴にはクリック装置があるため、鍵を最後まで回さなくても一定の位置まで回すと鍵穴自体が元の位置までカチャっと回ってくれるのです。この仕組みはあるのと無いのとでは、操作性に大きな違いが出ます。
最後まで鍵を回していないまま鍵を引き抜こうとしてガチャガチャしてしまうことが、V18では起きません。

個人的には、鍵の厚さと回しやすさでいうとV18が好きです。

まとめ

ギザギザの鍵はシリンダーのお値段が安いため、鍵交換をよく行う賃貸や、最低限ピッキングに強ければ良いという場合に重宝します。ただ、ギザギザ部分が鍵穴に引っ掛かりやすく、折れやすい特徴があります。

ディンプルキーは厚さがあり頑丈で、鍵穴が直線的なため挿し込みやすいです。ただし、複雑な彫り込みが入った高精度な鍵は防犯性に強い一方でメンテナンスが欠かせないです。

防犯性と使いやすさで考えると、バランスのとれたV18がオススメです。

もちろんその他のディンプルキーにも使いやすい物があり、見た目の好みもあるでしょう。また錠前によっては交換できるディンプルキーが決まっているため、ディンプルキーの交換は鍵屋さんに相談してみてください。

以上、鍵の形からみる「使いやすい鍵」の記事でした。