玄関に必要な防犯性とは?

著者:キーコックス

玄関に必要な防犯性とは?

暮らしの中で鍵が最も必要となる場所といえば、「玄関」でしょう。

出入口となる玄関は、意図的に隠そうとしていないのであれば、建物の一番入りやすく見えやすい位置にあります。

見えやすい位置にある玄関に鍵がついていなければそれはそれは目立ってしまい、出入りが自由にできることを見せつけているようなもので、安全性もあったものではありません。

では具体的にどのような防犯性が玄関には必要となるでしょうか。

起こりうるトラブルをご紹介しながら、必要な防犯性についてご説明していきます。 

玄関にはプライバシー確保・セキュリティのために鍵が必要

近所の人たちが全員顔見知りで、助け合いの暮らしをし、だれがいつ入っていもいいように常に開けっ放しにしているような平和な地域もあります。よその人が来ることが少なく、また人の目がセキュリティの役割を果たし、お互いの信頼関係によって実現しているのです。

しかし、多くの場合はこうはいきません。

賃貸住宅の場合は特に入れ替わり立ち代わり住人が変わることもあり、それぞれの活動時間も異なるため、隣にだれが住んでいるのかわからない事のほうが多いのではないでしょうか。

また玄関ドア1枚を隔てて外はもう共有地ですので、誰が歩いていても不思議ではありません。

必ずしも家に侵入されるということはありませんが、鍵がなければその可能性があるという不安がつきまとい、安心した暮らしとは程遠くなるでしょう。

プライバシーを守るため、またセキュリティのためにも玄関には鍵が必要です。

ですが鍵がついてさえいれば良いというわけでもなく、鍵が古かったり、あまりに簡単な作りをした鍵の場合はバール1本で簡単に壊されてしまいます。次に実際の侵入件数を紹介しています。

侵入窃盗認知件数5,237件(警視庁調べ)

東京都内の平成29年度中侵入窃盗は5,237件認知されています。そのうち、 2,681件は住宅狙いです。

主に侵入する手口として、朝方・日中に住人がいない間に窃盗する犯行を空き巣と呼びます。夜住人が寝静まった際に窃盗する犯行を忍び込みと呼びます。日中、住人が在宅している時に窃盗する犯行を居空きと呼びます。

いずれも住人に見つからないようにする窃盗手口ですが、住人と鉢合わせて強盗化するケースもあります。

鍵を狙った犯行はマンションに多い

不正解錠工具を使用した犯行は施錠開けと呼びます。施錠開けは主にマンション・集合住宅に多い犯行手口です。

決して戸建てが安全というわけではなく、戸建ての場合は窓が狙われやすいというだけであり、戸建ての侵入窃盗で施錠開けは約5%となります。
またマンションの場合は高層階や窓格子があるため、窓やベランダからの侵入が難しく、玄関の鍵が狙われやすくなります。マンションを狙った侵入窃盗のうち約20~30%が施錠開けとなります。

古い鍵と防犯性が弱い鍵に注意

鍵は一見複雑そうな作りをしているようにも思えますが、古い鍵や防犯性が低い鍵は短時間で開けられてしまう可能性大です。

有名な方法に「ピッキング」というものがあり、本来は鍵屋さんが緊急時に鍵開けを行うための専用の技術でした。それが窃盗犯に悪用され、多くの侵入窃盗被害が起こり、社会問題となりました。簡単な鍵の場合はものの10秒ほどで開きます。

現在はドライバー、バールなど、ピッキング工具を業務以外の目的で所持していると法律に違反します。

ですが、施錠開けがまだまだ減らない理由には、ピッキングが通用する古い鍵が使われていることが多いというわけです。

ピッキングに弱い鍵の特徴は、鍵のサイドにギザギザの刻みが入っているものです。中にはピッキングができないように鍵穴の中にピンが仕込まれている鍵穴もあるのですが、やはりオススメはディンプルキーです。

古い鍵は早めにディンプルキーに交換したほうがいいでしょう。

鍵が1個では突破される!?

防犯するときに大切なのが、泥棒に嫌われるようにすることです。

具体的には、やる気を削がせるように鍵を2個つけること。泥棒は下見をしながらウロウロしており、パッと見たときに玄関に鍵が2個ついている家は避けやすくなります。(※窓にシフトチェンジする可能性があるので窓対策も大切です)

鍵の複数付けは見た目だけの効果ではありません。鍵の不正解錠工具が届かない扉の下のほう、力がかけにくい上の方に取り付けることで、不正解錠しようとしても手間がかかり、時間をかけたとしても開けられないことのほうが多いのです。

わたしたちでも取り付けができる簡単な補助の鍵も販売されています。またはバールにも強い本格的な補助の鍵もありますが、しっかりと取り付けないと扉に傷をつけたり錠前が壊れてしまうため、本格的な補助の鍵は鍵屋さんに頼んだ方が確実です。扉のどの位置につけたらいいか、プロだからこそ判断できるところもあります。

鍵番号からコピーされてしまう!

住宅の鍵には主に、ギザギザの鍵と、穴ぼこがいくつかあるディンプルキーというものがあります。

合鍵を作るときには、1本だけに書かれている鍵番号をもとに鍵屋さんで作ることが出来ます。

防犯性と強度から言うと、ディンプルキーがオススメなのですが、合鍵を作るときに鍵屋さんからさらにメーカーに発注するので2週間~1か月と日数がかかることと、合鍵作成の時に1000円ほどの費用がかかります。また鍵を交換するときの費用も高く。

一方ギザギザの鍵は、鍵番号をもとに店舗でも作ることができるため、早く手にすることが出来るメリットがあり、費用も300円ぐらいでしょうか。

ただし、簡単に作れるということは、他人が鍵を拝借し店舗で合鍵を作ることもできてしまいます。持ち主も短時間で鍵が戻ってきていると気づかない可能性があります。

鍵番号で合鍵をコピーされるのを防ぐには、本人確認・持ち主確認が必要なディンプルキーがオススメです。すべてのディンプルキーが本人確認を行うものではないので、対応している鍵を選んでください。

暗証番号式は番号を盗み見される!

玄関の鍵に、暗証番号式のものをつけている時には、番号の盗み見に注意してください。同伴者から見えないように手元を隠す、ランダムに番号を押してから正しい番号を押してあける(ランダムキー機能があるものに限る)、定期的に番号を変えるといった対策が必要となるでしょう。

また同伴者が居なくても、毎回同じ番号を押すとその面だけ傷がついたり、指紋が残ったり、不正に読み取られることもあります。

できることであれば、普通の鍵穴ありのものを別で取り付けておくといいです。

まとめ

玄関は家のシンボルとも言えます。出入りしやすく目立つ場所にあるからこそ、防犯意識を周りにアピールすることが出来る場所でもあるので、鍵はぜひディンプルキーへ、また2個取り付けておくとセキュリティも高くなります。

また鍵の番号から合鍵が作られないように、むやみに人にカギを見せない、番号が書いてある鍵は使わず合鍵を普段使いする、不正にコピーできないディンプルキーに交換するなどしてください。

 

著者について

キーコックス administrator

主に住宅向けの鍵について調べたことを書き述べてまとめています。安全性に欠ける古い鍵を使っている家が多いため、防犯的にも鍵には期限があることを知ってもらおうとブログを活用しております。おもしろい鍵情報がありましたら随時更新いたします!